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2011/05/25

空想旅行/氷の反響 ノルウェー編

週末。初夏を思わせる快晴の土曜日、
部屋の中のすべて、布団をソファを洋服を机を床を土鍋を、
すべて外に出して陽に当てたら気持ち良いだろう、と窓を開け放ち、
そのまま浮かれた気分で眠ったところ、当然の如く風邪をひき発熱した。
今週はそれをずるずる引きずり仕事をしている。
すでに皆気づいているだろうが、日本の四季は4等分ではない、1/3が冬だ。

いまは、発熱した頭で寒いノルウェーのことを考えている。
今朝、ノルウェーのパーカッショニストのライブ(@山羊に聞く?)の誘いがあった。
テリエ・イースングセット、彼は氷を叩いて演奏する。


この反響。ふとShhhhhもDJで選曲していた、スペインのオルカテックスの音を思い出す。
彼らはバスクに伝わる、チャラパルタという木琴のような伝統楽器を奏でるアーティストであるが、
現地のライブでは木片のかわりに氷の棒を使って演奏し、それが大変良かったと聞いた。
もしかしたら、ルーツが近いところにあるのかも。

そういえばノルウェーには、洞窟のかわりに氷窟がある。
古代文明では、洞窟や鍾乳洞は儀式を行う聖所であり、
儀式の音楽を奏でる場所であり、それ自体が反響する楽器でもあった。
つまり氷窟も楽器だったのかもしれなく、氷あるいは氷柱の音楽があり、
氷壁には壁画が描かれたのかもしれない。

ずっと遠くて寒い、氷の音が透明に響くノルウェー。
余談だが、北極地点の永久冷凍層に作られた「スバルバル種子貯蔵庫」も気になる。
世界の絶滅に備え、世界中から集めた”地球上で最も重要とされる種子”を保管する、つまりはノアの箱船。
果たして”最も重要な種子”を誰がどう決めるのは不明だが、現代の箱船は、どうやらノルウェーの氷の中にあるのだった。




2011/05/15

とろりとした夜の季節

土曜。渋谷o-nestにてLivelovesライブ。リハ終了後、メンバーmiya推薦の梅蘭という中華屋へ。
名物というあんかけ焼きそばをメンバー全員で食す。これは厳密にいえばあん入り焼きそばであり、
具材&あんを堅焼き麺で包んだ代物、見た目はなんというか失敗したホットケーキのよう。
パリパリとろりの具合が絶妙で美味。イベントは人がけっこう来ていて、10年来の友人らとも再会。
Dr.茶谷くんの新パンクバンドpopsカッコ良かった。
バンドは夏以降に結構ライブが決まってきていて、とても楽しみ。その前にレコーディングも進めたいところ。

ライブ後、皆と別れてbonoboへ向かい、3人組djユニットlast day bikiniメンバーでレコ屋勤務kayo、文筆家GJと待ち合わせ。
2人とは6月にbonoboで一緒にdjする予定なのだが、実はこの2人、10年以上前にマニュアルオブエラーズという
高円寺のレコ屋の1Fにあったお洒落カフェで共にバイトしてた、長い友人である。
その店は全てを4人のバイトに任されたため、日々まかないやケーキを好き勝手に作って焼いて食べて、
という夢のようなバイトであったのだが、好き勝手やりすぎたためか1年後につぶれた。
あたしらがつぶしたのか。いやもう時効だろう。

この日はサラームさんK.E.Iくんらのイベントだったが、
なぜか女装している店主セーさんとちゃぶ台を囲みイベントの話、しつつsuisideのフランスライブを鑑賞、
単純なリズムループの上でハマショー的アクションをキメるアラン・ヴェガ、投げやりなシンセを小手先で操る
マーティン・レヴ、あたしもできるかもと思わせるキッチュなパフォーマンスが憎い。来日希望。
しかしハイセンスが過ぎるkayo&GJとのトークが面白すぎてまだまだ話し足りないため、
原宿に移動して結局始発まで飲む。今年も夜中の散歩が気持ちいい季節がやってきたね。

2011/05/09

相模湖ブルース

連休終わりの土曜。
freaks festivalのため、早朝からつのだ氏と待ち合わせ、相模湖へ電車で向かう。
小雨降る中、相模湖駅で下車。客の流れに逆らい、湖に立ち寄る。


雨のためか、どこかうら哀しさが漂う湖畔、観光客は1人もいない。




永遠に時が止まったかのようなレジャー施設に心が躍る。
街にうすく流れるシンセの演歌カラオケ。
射的、スマートボール、インベーダーゲーム、当時の花形レジャーを併設する、デイドリーミングな空間。
射的すべきか本気で迷う不可思議な景品たち。





それもそのはず、ここは昭和16年に埋め立てられた日本初の人造湖であったのだ。
部落移住、強制労働、そこはかとなく漂うブルース。
完全貸切りのスワン号に乗り、山上の寂れたラブホを眺めていると、
少しずつ時空が狂ってくる。





その後、夢を覚ますようにして会場へ。
Washed outが奏でる、メロウで切なく、あか抜けないシンセウェーブには、
なんとなく相模湖の気だるい微風を感じたのだった。